後立山南部(長野) 爺ヶ岳(2669.9m) 2018年10月8日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 2:27 柏原新道登山口−−4:44 種池山荘−−5:13 爺ヶ岳南峰−−5:24 爺岳中峰 6:28−−6:41 爺ヶ岳南峰−−7:02 種池山荘 7:07−−8:22 柏原新道登山口

場所長野県大町市/富山県中新川郡立山町
年月日2018年10月8日 日帰り
天候快晴
山行種類一般登山
交通手段マイカー
駐車場登山口前に駐車場あり(6,7台)。橋を渡った対岸の駐車場は今年は利用可能
登山道の有無あり
籔の有無無し
危険個所の有無無し
山頂の展望本日は大展望!
GPSトラックログ
(GPX形式)
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コメント三連休最終日、台風25号通過後の台風一過に登頂。ほぼ無風で快晴! 雲海の高さが高く志賀高原や浅間山は見えなかったが南アルプスはくっきりと見えていた。もう稜線付近は落葉していた。今年は何度もここに登ったが今回ほどたくさんの登山者を見たことはなかった




3連休最終日、まだ駐車場に空きあり 扇沢の光。ガス無し
石ベンチ通過。まだ真っ暗だが後続の光が見えた ガレ沢
種池山荘到着時も真っ暗 爺ヶ岳南峰への登りから振り返ると登山者のライト
爺ヶ岳南峰 爺ヶ岳中峰。まだ日の出前
爺ヶ岳中峰から見た南〜西〜北の展望(クリックで拡大)
爺ヶ岳中峰から見た常念山脈、槍穂(クリックで拡大)
爺ヶ岳中峰から見た東側。背の高い雲海で浅間山、志賀高原とも見えなかった
爺ヶ岳中峰から見た南アルプス
爺ヶ岳中峰から見た八ヶ岳
爺ヶ岳中峰から見た頚城山塊+高妻山
爺ヶ岳中峰から見た常念山脈
爺ヶ岳中峰から見た槍穂
爺ヶ岳中峰から見た立山
爺ヶ岳中峰から見た剱岳〜小窓ノ頭
爺ヶ岳中峰から見た日の出前の鹿島槍 気温は+3〜+4℃。でもほぼ無風、日差しあり
爺ヶ岳中峰から見たモルゲンロートの立山 爺ヶ岳中峰から見た爺ヶ岳南峰
爺ヶ岳中峰から見た鹿島槍 爺ヶ岳中峰から見た鹿島槍南峰。人がいっぱい
爺ヶ岳中峰から見た冷池山荘 爺ヶ岳中峰から見た冷池山荘テント場
爺ヶ岳中峰から見た富士山 霜柱。木材には真っ白く霜が降りていた
爺ヶ岳南峰山頂 爺ヶ岳南峰から見た爺ヶ岳中峰
爺ヶ岳南峰から見た常念山脈〜劔岳北方稜線(クリックで拡大)
爺ヶ岳南峰から見た常念山脈、槍穂
まだ日が低く影が長い 雲海に向かって下山
扇沢駐車場。満車状態 登山口対岸駐車場。満車
車止めの中に地元ナンバーの車あり 最短駐車場も満車

 3連休は台風25号襲来により、本州中部では下界の天気はまあまあだったがアルプスの山の上は風が強く雨も降り、テントを背負って出かける状況ではなかった。しかし日曜後半から天候が回復傾向となり月曜日の体育の日は台風一過の好天が期待できそうなので、蝶ヶ岳日帰りから中一日だが再び出かけることにした。このような体力回復が不十分なときは唐松岳か爺ヶ岳しかないが、今回は爺ヶ岳とした。今年何回目だろうか。まあ、今年は週末の悪天が続いたのでしょうがない。

 日曜夕方に自宅を出て1時間ちょっとで柏原新道登山口に到着。登山口前の駐車場はいっぱいかと思ったら3台分の空きがありラッキー。上空はまだ雲が多いが雨は降っていない。明日朝には雲が取れるといいのだが、天気予報では早朝は晴れか曇りかギリギリのラインだった。風はややあることになっていたが、強風ではないようだ。

 3連休最終日に向けて夜中も次々と扇沢へと車が上がっていく。この駐車場の残り2枠も夜中に埋まったようだ。気温はやや高めだが土曜日よりは下がっていて、明日は大汗はかかずにすみそうだ。風向きは西から北寄りのはずで、稜線に出るまでは直接風が当たることもないだろう。

 翌朝は2時起床、2時半出発。上空は星が見えているが満天の星ではなく数が少ない。どうも雲が出ているようだが稜線にかかっていなければいいが。この時間は真っ暗なので稜線は見えない。念のため傘とゴアを持つ。ゴアは最近は本来用途の雨対策ばかりだったが、今回は防寒兼用だ。LEDライトの電源は前回同様単4ニッケル水素電池。今回も3時間弱の使用なので、電池切れにならないだろうが念のために予備の電池を持つ。気温は+10℃程度で体を動かす分には適温なので、下は半ズボン、上は長袖1枚を羽織って出発。ズボンは脱ぐのに登山靴まで脱ぐ必要があるので、途中で暑くなる可能性があるときは最初から短パンの方がいい。結局は歩き出して10分もしないうちに半袖に変身、いつもの私のスタイルになった。

 ライトをつけて登山開始。最初は樹林が深いので先行者がいても接近するまでは明かりは見えず、真っ暗な中を登っていく。中一日の休養なので体力面で心配があったが、出だしから足はやや重め。荷物は真夏よりも防寒着を増やしたので少し重くなったが、それでも通常の日帰り装備よりは軽い。体が温まってくると徐々に調子が出てきて、結果的に2日前の蝶ヶ岳の影響はほぼ残っていなかった。1日半の休養が効いたようだ。

 この日はGPSが不調で出発時の標高表示が1000m近く低かったが、標高が上がって谷間よりロケーションが良くなり衛星の捕捉数が増えれば大丈夫だろうと思っていたが、標高2000m付近でもう一度GPSを見たら高度がおかしいままで、電源を入切して再起動したら正常動作した。おかげで今回のログは途中までおかしく、電源再投入で正常化したと同時にデータが飛んでいる。何年もこいつを使っているがこんなことは初めてだった。ちなみに私のGPSは地図表示機能は無いので緯度経度が狂っていても判別不可能だ。

 出発して1時間くらいで最初の登山者を追い越す。単独男性であったが、かなり接近するまでライトが見えなかった。座って休憩中だったのかもしれない。次の登山者はずいぶん先でガレた谷のちょっと先で追いついた。水平道からガレ谷付近は南側の樹林が開けて登山道が見えたが、かなり下の樹林の中で明かりが2つほど見えていた。

 出発後30分くらいで薄いガスの層に突入、これは天気はだめかと思ったがそのうちにクリアに。どうやら薄い雲海の層を通過したようだ。しばらくは樹林帯が続くので星空の状態も見えないし、対岸の針ノ木岳などの稜線の様子も見ることができない。

 まだ真っ暗な時間帯に種池山荘に到着。窓から漏れる明かりが眩しいくらいだった。山荘前は無人だったが東を見ると爺ヶ岳南峰を登るライトの明かりが見えていた。この状況は久しぶり。いつも悪天のときに登っていたので無人だったからなぁ。天候は心配とは裏腹にほぼ無風の快晴で満天の星空。シルエットで僅かに見える針ノ木岳や剱岳、大天井岳付近にライトの明かりが時々見えることも。池の平小屋の光はずっと見えていた。種池山荘を出発して針ノ木岳方面へ馬蹄形縦走に向かう光も見えていた。

 ここまで来ると気温が下がって約6℃。末梢が冷えるので手袋、腕カバー、毛糸の帽子を着用。汗をほとんどかいていないので夏山より楽で、ここまでで疲労はほとんど感じずに済んだ。小屋の近くの材木には真っ白く霜が降りていて、地面には霜柱が立っていた。先週の雪を考えればこの程度は大したことはない。なにせ今年はお盆休みの翌週末に霜は体験しているからなぁ。考えてみれば2ヶ月近く前のことだ。

 小屋を出発したばかりの人を追い越して先に進んでいく。もっとも、追い越された人は鹿島槍方面への縦走で泊まり装備のザックの大きさなので仕方ないだろう。少なくとも明日までは好天が続きそうだ。この状態が連休初日から続けばよかったのだが。

 振り返ると種池山荘を出発した登山者の明かりがいくつもこちらへ登ってきているのが見えた。冷池山荘の明かりもはっきりと見えて、鹿島槍へ向かう複数の明かりも。山頂での日の出に間に合うかな。既に東の空は赤く焼け始めていた。

 往路は南峰はパスしようと思っていたが、尾根上の道を進んで山頂に出てしまった。まあ、大した時間ロスではないので影響はごく小さいが。登山者は1人だけいたが、日の出を迎える頃には人数はずっと増えていた。まだ薄暗い中でも逆光の中で中峰山頂に数人の人影が立っているのが見えた。

 鞍部を通過する頃にやっとライト無しで歩ける程度の明るさになった。時刻は5時15分で、きっかりと日の出30分前だった。でもまだ薄暗いので視界に入る地面は白黒の世界で色は無く、緑の這松は黒く見える。色があるのは明るさが増してきた東の空だけだ。

 縦走路を離れて爺ヶ岳中峰山頂へ。先客は4人で大きなカメラを構える人も。日の出までまだ時間があるのでゴアを含めて持ってきた防寒具を全て着込んだ。東は背の高い雲海が広がり、志賀高原はもとより浅間山も見えていなかった。それどころか八ヶ岳は横岳、赤岳、阿弥陀岳しか見えていないし、富士山は全く見えていなかった・・・と思ったら写真でないと分からないほど、てっぺん付近の僅かな部分しか見えていなかった。それに対して南アルプスは鳳凰三山〜聖岳、大沢岳までずらりと並んでいた。この日は関東地方は北東から冷たい風が入って低い雲が広がり気温が下がっていたが、その雲がこの雲海だったようだ。残念ながら奥日光方面も雲の下で見えなかった。空気の透明度自体はかなり良かったので残念。北信の山々も雲海の上で、頭が出ているのは高妻山、乙妻山、妙高山、火打山、焼山のみ。焼山は時間経過とともに雲海に飲み込まれてしまったので、日の出後は徐々に雲海の高さが上がってきたのかもしれない。北アルプス方面はどこもすっきり見えていて槍穂もばっちり。剱岳方面は毛勝三山以北は雲海に沈んで見えなかったが剱岳から池平山にかけての険しい稜線ははっきりと見えた。

 やがて雲海からの日の出。日差しがあると体感温度は一気に上がり心地いい。夏だと暑くて日差しが憎たらしいが、もう今の時期は日差しが恋しい。あちこちの山々がモルゲンロートで赤く染まった。デジカメで鹿島槍山頂をズームすると結構な人数が写っていた。テント場をズームすると10張程度見られた。たぶん昨日はお昼くらいはかなりの強風とガスだったと思うが、テント場はどのくらい荒れたのだろうか。もう私くらいの年齢になると荒天が予想される中でテント泊をやる気にはなれない。過去に登ったことがある山でそれをやる意義が見出せない点も大きいかな。

 今日は天気が穏やかで大展望なので、久しぶりに山頂でのんびりと展望を堪能した。ここのところ、幕営以外は悪天の時ばかりだったのでほとんどとんぼ返りだったなぁ。今日はおそらくどこのアルプス級の山も大賑わいだろうが、体育の日を過ぎると山小屋が次々と営業終了となるので、この賑わいも今週が最後かもしれない。こちらとしては気温が下がって中低山でも汗をかかなくなり虫が出なくなれば、涼むためのアルプスではなく自分にとって未踏の山を優先したいところだ。長期予報では今年の秋冬は気温が高めの状態が続くらしいので困ったものだ。10月上旬だと北アルプスは初雪が溶け残っていても不思議ではないが、今年は雪は皆無だ。温暖化が進んで徐々に降雪時期も遅れてくるかな。

 1時間ほど景色を堪能して下山開始。帰りも南峰に立ち寄ると10人弱が休憩中。中峰でもそうだったが、鹿島槍方面へ縦走する登山者よりも軽装で爺ヶ岳を往復する登山者の方が圧倒的に多かった。今日は連休最終日で明日は会社の人がほとんどだろうから、考えてみれば当然の行動かも。

 種池山荘前で防寒着を全て脱いですっきりしてから下山開始。標高が落ちれば気温が上がって暑くなるのだから。扇沢を中心とした馬蹄形の谷間は雲海に覆われているので、下界の日差しは多少は遮られるだろう。下っていくと次から次へと登りの登山者とすれ違う。明らかに日帰り装備の人もいるが、そうとは言えない人も多い。明日もお休みの人が意外といるのだろうか? おそらく、明日の好天を狙って休暇を取っている人も少なからずいるのだろう。週末にこんな天気になってくれればよかったのに、今年の週末は外れが多かったなぁ。

 登山口に到着すると目の前の駐車場も対岸の駐車場も満杯の大盛況。それどころか車に乗り込んで下っていくとスノーシェッドを抜けた先の駐車余地も満杯で、さらに次のスノーシェッドの先の駐車スペースにまで車があった。下手をすると今シーズンで最高の入山者だったかも? なお、この日は木曾御嶽の剣ヶ峰のへ立入規制が解除される今年最後の日で、山頂は登山者の渋滞の列ができるほどの大盛況だったそうだ。なお、扇沢の駐車場も登山道途中から見たら満杯だった。あちらは登山者だけでなく観光客もいるので競争率は相当高いだろう。


 右膝の状態だが、蝶ヶ岳から休養日が短かったこと、最近は膝の状態が良好でストックを使わなくても痛みが少なく、今回は調子に乗って下りは健常時と同じスピードで下ったことも影響してか、久しぶりに痛みが強く出た。痛めてから2ヶ月近く経過するが、未だにセーブしないと痛みがぶり返すとは思わなかった。ただし、今後はおそらくアルプスに登る機会は来年夏まではないと思うので、しばらくは中低山の日帰りが中心となり歩く時間も短くなって膝には優しい歩きが続くだろう。冬の間に完治させて来年の残雪期には不安なく歩けるようにしたい。

 

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